家づくりの基礎知識

資金計画・土地選び・間取り

家づくりで押さえておきたい基本的なポイントは大きく分けて3つ。「資金計画」と「土地選び」そして「間取り」です。ここでは、住宅性能や間取りにもこだわった「自然素材の家」「木の家」のギャブハウスが、マイホームをご検討中の方にぜひ知っておいていただきたい、これらのポイントについてわかりやすく解説します。

資金計画について

資金計画について

2,000万円の予算があっても、その全額を家1軒の購入に充てることができない?

注文住宅で一戸建ての家を建てるとなれば相応の金額が動くもの。それだけに資金計画は慎重に。もちろん住宅ローンをどうするかも大切ですが、それ以前の問題として、全体の予算配分についてもしっかりと見通しを付けておかなければなりません。なぜなら、2,000万円の予算があっても、その全額を家1軒の購入に充てることができないからです。

諸費用を含む、本体価格に含まれない30%をしっかり見積もることが大事

まず、家づくりの総予算のうち、建物本体の価格は全体の70%で、外構工事や電気・ガス設備の敷設など付帯工事にかかる費用は約15~20%と言われています。さらに、諸経費と呼ばれるものが約5~10%。つまり、2,000万円の予算があっても、建物にかけられるのはそのうちの1,400万円ということになります。この点を見落としてしまうと完全な予算オーバーとなり、マイホーム計画自体が頓挫しかねません。仮に、足りない分は住宅ローンで補えばよいと考えて計画を断行してしまえば、毎月の返済で家計や将来計画にしわ寄せが行くことになります。大事なのは、本体価格に含まれない30%を正しく見積もることだと言えるでしょう。

頭金が多いほど返済はラクになるが……

住宅ローンに限りませんが、頭金がゼロでは最初はラクでも、その分借入額が多くなり毎月の利子、返済額、総返済額が増えます。反対に、頭金を多く用意できれば、その分、月々の返済負担は減ります。ただし、だからといって、用意した自己資金をすべて頭金に回すのは賢い選択とは言えません。なぜなら、マイホーム購入に際しては引っ越しや、家財購入などに別途予算を計上する必要があるからです。もちろん、転居後の生活費も余裕をもって残しておかなければなりません。頭金をいくらに設定するかは、この辺の経費をどれだけ見積もるかで大きく変わってくると言えるでしょう。

土地選び

土地選び

土地の素性次第で建てられる家、実現できる間取りに影響が出る?

先祖代々の土地に建てる、両親の住まいと同じ敷地内に離れとして家を建てるといった恵まれた方は別として、そうではない場合は事前に土地を購入しなければなりません。ただ、ここで気を付けたいのは、土地ならどんな素性のものでよいというわけにはいかないということ。なぜなら、土地の広さや形状によって、そこに建てられる家や実現できる間取りなどに制約が生まれるからです。また、土地そのものではなく、周辺の環境や利便性、アクセスの良否などもその後の生活に大きな影響を与えます。こうしたことからも、土地の探し方や選び方がいかに重要かおわかりになるでしょう。

土地探し前にチェックしよう!

よい家を建てるなら、できる限り理想的な土地を選びたいところ。ここでは、土地の主な評価ポイントをご紹介します。

土地の面積・配置・形状・条件

一般に家を建てるのに適した土地とは、東西に長い「長方形」をした土地です。反対に変形した土地や狭い土地は敬遠される傾向に。また、道路から見て間口の広い土地は部屋を広くつくることができたり、廊下をレイアウトできたりすることから好条件だと言われています。また、道路が南面している土地は、日当たりがよく明るい部屋がつくりやすく人気です。

地盤の状態

建物がいかに丈夫な構造でも、軟弱地盤の上に建っていては意味がありません。もちろん、施工前の現地調査で問題があれば地盤改良工事を実施して対策しますが、その分費用はかさみます。

利便性

土地そのものの素性とは関係のない要素ですが、土地選びで重要なポイントと言えば利便性でしょう。とくに買い物に便利な大型スーパーやコンビニが近くにある、病院や市町村役場など公共機関がある、駅やバス停など公共交通機関が利用しやすく、通勤や通学のアクセスもよければ理想的です。もちろん、お子さんをお持ちの方であれば、徒歩で通える幼稚園や保育園、小中学校があれば言うことなしでしょう。

安全面

どんなに理想的な土地でも、その周辺の治安に問題がある、交通量が多く騒音が気になる、事故が多発して心配ということであれば購入する気にはなれないでしょう。もちろん、交通環境の良し悪しは現地を視察すれば簡単にわかることですが、問題は治安です。不審者が出没しているような土地柄、犯罪が多い土地柄かどうかは、そこに住んでみないとなかなか判断ができません。ただ、現地の人にそれとなく事情を聴くことができれば、参考になる情報が得られるでしょう。

生活環境

利便性で申し分ないと思われるようなロケーションでも、周辺道路の交通量が多く騒音が気になったり、通りから家の中が覗かれる懸念があったり、周辺に工場などがあって独特の臭気が漂っているといった環境では、積極的に住む気にはとてもなれないでしょう。前述の安全性と同様、候補地の周辺を歩いてみて気になる音や臭い、その他の問題がないか入念にチェックしておきたいところです。

失敗しない間取りのために気を付けておきたいこと

家の使い勝手を決めるのは何より間取りの良し悪しです。新築から何十年と暮らし続ける住まいのことだけに、やはり慎重に考えておきたいところ。ここでは、とくに多くの方が失敗しやすいポイントについて注意すべき点をご紹介します。

間取りのポイント×5
Point1 家事動線

料理や片づけをしながら、洗濯、物干し──ほとんどの家事は同時進行だったり、連携が必要だったりします。にもかかわらず、キッチンと洗濯機、浴室が遠いと動きにムダが多くなり、疲労もたまりやすくなります。水回りは可能な限り一直線にレイアウトしましょう。また、洗濯物を干す場所もできるだけ近いほうが理想的です。

Point2 トイレ、浴室のレイアウト

ふだんはまったく問題がなくても、いざ来客があると途端に困ることがあります。トイレです。とくにトイレが玄関に近い場所にあればあるほどお客様のことが気になって用が足しにくいもの。やはりトイレはできるだけ玄関から遠い場所へ配置しましょう。また、寝室の脇に浴室があると、夜遅く帰宅する家族がいた場合、お風呂を使う音で眠れないということもしばしば。生活音の干渉を避けるなら、寝室と浴室を離すのがセオリーです。

Point3 収納

部屋数が欲しいからと、居住スペースを細分化しすぎると、1部屋あたりの収納スペースがどうしても小さくなります。すると、収納できないものがあふれかえって片づかない部屋になる可能性が大。かといって、何でもかんでも詰め込みたいからと奥行きのある収納スペースをつくっても、入れにくく、取り出しにくいだけの不便な空間になるので要注意です。

Point4 窓の配置

風通しのよい家は、快適なだけでなく、家の中の湿気を解消して結露やカビの発生を防いでくれます。ただし、風通しをよくするには、窓の配置に工夫が必要。できるだけ部屋の対面に窓をレイアウトして風の入口と出口をつくってやるようにしましょう。対面配置が難しい場合は、少なくとも窓を2面設けます。

Point5 コンセントの位置と数

家づくりでよくある失敗のひとつがコンセントの配置ミス。いざというとき、欲しい位置にコンセントがなくて困った経験は多くの方に共通していることでしょう。とくに部屋の隅下にないと掃除機をかけるのに難儀します。なお、家1軒にコンセントがどれだけ必要かは「建坪と同じ数」という目安があります。たとえば、平均的な60坪の家なら60個ということです。

年齢別・間取りのポイント!

マイホームを建てる段階で施主の方がどの年代に属しているかで、間取りをどうプランするか微妙に変わってきます。こちらも念頭に置いておきましょう。

20~30代
(子育て世代)
  • 子ども部屋:子どもが生まれていない段階で、子ども部屋の数を明確に規定しない。部屋を細分化するより、大きな部屋を用意しておき、将来、パーティションなどで仕切れるようにしておけば柔軟に対応できます。
  • 対面キッチンにすると子どもの様子を見ながら料理や片づけがしやすい。家事の間でも勉強を見てあげられる。
  • リビングを通って個室に行く間取り=リビング階段仕様にすると、家族のコミュニケーション、絆づくりに理想的。
40代
  • 子どもに個室を与えるタイミングで、次第に家族一人ひとりの持ち物が増えてくる時期でもあります。部屋にモノがあふれないよう十分な収納スペースを確保しておきたいところです。
50代
  • 子どもが独立する時期。空いた個室を別の用途に利用できるよう柔軟にプランしておきましょう。ご夫婦それぞれの趣味やライフワークに合わせて内装やしつらえをアレンジするのもグッドです。
  • 親との同居を検討する時期にもあたります。居住空間や玄関まわりはバリアフリー設計にしておきましょう。自分たちの老後もラクに暮らせます。また、車椅子の移動も考えて廊下やトイレは広くつくるのがコツ。
60代
  • 若い頃とは違って体力、運動能力が落ちてくる時期。それだけに間取りや生活動線は可能な限りシンプルにして身体に負担をかけないようにしたいところです。
  • 夫婦にそれぞれ個室を設ける、寝室を別にするといった工夫も考えておきましょう。